直葬について
〔記事投稿日時:2015-05-11 13:03:53〕
葬儀にも様々な種類がありますが、そのうちの一つに「直葬」というものがあります。
「直葬」とは、通夜や告別式を行わずに、遺体を直接荼毘に付す葬儀方法のことをいいます。
従来は、身元がわからない方や生活に困っている方などを対象に執り行われてきましたが、近年では、この「直葬」がより一般的な方法として扱われるようになってきました。
その理由は様々ありますが、やはり経済的な事情によるものが大きいように思います
現代では、料金もピンキリに、数多くの葬儀プランが存在していますが、それでも一般的な葬儀には平均して200万円前後の費用がかかると言われています。
一方で、直葬なら数十万円程度で葬儀を済ませることができますから、経済的に余裕のない方は直葬を選ばざる得ないという現実があるのです。
しかし、中には、直葬なんて言語道断だという方もいらっしゃるでしょう。昔から日本人は“葬式”をもって故人を弔ってきたのに、なぜ現代の人はそうしないのか。モラルはないのかと言われるかもしれませんね。
ですが、ここにもやむを得ない社会的背景があるのです。
かつては葬式が行われるとあれば、親戚一同、知人一同、大勢の方が参列者として出席しました。そのため、葬儀費用の大部分を香典でまかなうことができたのです。勿論、親戚や知人の方の葬式のときには、同じように香典を渡すため、トータルとしては同じぐらいの費用を払っているのですが、それでも一度に大きな費用を払うことはありませんでした。
ですが、無縁化社会の昨今、豪勢な葬儀を行ったとしても、それをまかなう宛がないのです。そのため、葬儀は小さく、家族だけで行うというケースが増えてきているのです。
その最たるものが「直葬」なのだと思います。モラル云々の話で言えば、本当は立派な葬儀をあげたくても、経済的な事情から止むなく「直葬」を選ぶ人も少なくないのではないでしょうか。